第 3 章
ビジネス財務セクション($$b):原数値プリント($p)・企業名($n)
項番指示型パラメータ 《2000.8.25修正》
追加プリントパラメータ書式($p in $$b)例1
書式($p in $$b)例1の出力結果
書式($p in $$b)例2
書式($p in $$b)例3(新項番による項目名表示原数値プリント) 《2000.9.1追加機能》
書式($p in $$b)例3の出力結果(単独決算の項目名表示原数値プリント) 《2000.9.1追加》書式($n in $$b)例1《2002.4.21修正》
書式($n in $$b)例1の出力結果
書式($n in $$b)例2《2002.4.21修正》
書式($n in $$b)例2の出力結果
書式($n in $$b)例3《2002.4.21修正》
書式($n in $$b)例4《2002.4.21修正》
この章では、『一般事業会社・本決算データ』のビジネス財務(単独決算)データの原データそのものを表示するコマンドやパラメータを説明する.企業の単独決算数値をそのまま出力したり,企業名の表示や企業名変量を作成する.
なおビジネス財務セクションは,前章で述べているように「$$b」で開始される.
本ページの書式例参照プログラムはWeb版xcampusの場合は各大学のWeb版xcampusの『xcampus構文解説』書式例として収録され,クリック1つですぐに実行できる.Windows版の場合は,xcampusの[ファイル]メニューの[開く]をクリックして,xcampusの見本プログラム群の[rffmtprg]フォルダに収録されている.Linux版xcampusの場合は,コマンド xccp を入力することによってプログラム一覧が表示される.
財務データの任意の決算項目の数値を,フラグの立っている企業について原数値のまま表示する.このような決算の原数値をプリントするための1種類のコマンドと2形式のパラメータが用意されている.プリント結果は,[数値リスト]ないしは[Excelの表]として出力される.
単独決算の原数値プリント(print)コマンドは次の形式をとる.
$p |
企業の単独決算の原数値をプリントするためのパラメータは,上述の「$p」コマンドに続いて,次の2タイプのいずれかの形式で記述する.
項番指示型パラメータ 《2000.8.25修正》
追加プリントパラメータ書式($p in $$b)例1
書式($p in $$b)例1の出力結果
書式($p in $$b)例2
書式($p in $$b)例3(新項番による項目名表示原数値プリント) 《2000.9.1追加機能》
書式($p in $$b)例3の出力結果(単独決算の項目名表示原数値プリント) 《2000.9.1追加》
1゜ 2゜ 3゜
<◇>☆◎◎◎◎,◎◎◎◎,◎◎◎◎,… |
ブランク行
<単独決算:東証1部上場医薬品の売上高・経常利益等の原数値>
前半のフラグ変量作成部分は,書式($f in $$b)例1の再掲である.フラグ作成($f)コマンドの第1のパラメ−タでは,業種(項番7103,旧項番362)のコードが09081番の「大手医薬品」,09082番の「医家向医薬品」,09083番の「大衆向医薬品」にのいずれかに等しい企業,つまり医薬品の企業にフラグを立てて,j フラグ変量としている.第2のパラメ−タでは,上場場所(項番7015,旧項番567)の項目の数値が11の企業に,すなわち東証1部上場の企業にフラグを立てて,h フラグ変量としている.次に,その j フラグ変量と h フラグ変量の両方にフラグの立つ企業,すなわち医薬品業界で東証1部上場の企業にフラグを立てる.フラグの立つ企業には g の文字が,フラグの立たない企業には△の文字が入った新しいフラグ変量 g が作成される.
そのフラグ g の東証1部上場薬品企業を対象に,決算数値プリント($p)コマンド直後のパラメ−タで,5つの項目の原数値プリントを指示する.つまり,売上高(項番3001,旧項番090),経常利益(項番3029,旧項番110),従業員数(項番5056,旧項番158),開発費・試験研究費(項番5094,旧項番288),合併・分離情報(項番1034,旧項番373)の原数値がプリントされる.
// b-p-f1 $$b //ビジネス財務データセクション $f //処理対象企業フラグコマンド <j>==..(7103)09081,09082,09083 //業種が大手,医家向,大衆向医薬品 <h>==..(7015)11 //東証1部上場の企業にフラグh <g>=:*.(j,h) //医薬品で,かつ東証1部上場の企業にフラグg $p //決算原数値プリントコマンド <g>,3001,3029,5056,5094,1034 //フラグgの企業群の5項目のプリント $$ //終了セクション |
書式($p in $$b)例1の旧プログラム・テキスト参照[b-p-f1-old.txt]
|
456 |
【新項番】 |
7101 |
決算期(年月表示) |
|
|
3001 |
【新項番】 |
3001 |
売上高・営業収益 |
|
|
3029 |
【新項番】 |
3029 |
経常利益 |
|
|
5056 |
【新項番】 |
5056 |
従業員数(単位:人) |
|
|
5094 |
【新項番】 |
5094 |
開発費・試験研究費 |
|
|
1034 |
【新項番】 |
1034 |
合併フラグ |
|
|
no. 1 needs company code ( 590) 日本ケミファ NIPPON CHEMIPHAR |
||||
|
V3001 |
V3029 |
V5056 |
V5094 |
V1034 |
'64.09H |
439 |
85 |
239 |
#N/A |
0 |
'65.03H |
510 |
98 |
228 |
#N/A |
0 |
|
途中省略 |
|
|
|
|
'75.09H |
6270 |
1272 |
906 |
60 |
0 |
'76.03H |
6260 |
1154 |
839 |
65 |
0 |
'77.03 |
13031 |
2386 |
816 |
530 |
0 |
'78.03 |
15062 |
3424 |
839 |
780 |
0 |
'79.03 |
17335 |
4310 |
853 |
1132 |
0 |
|
途中省略 |
|
|
|
|
'99.03 |
16588 |
156 |
666 |
2446 |
0 |
'00.03 |
16343 |
153 |
526 |
2972 |
0 |
'01.03 |
15691 |
557 |
518 |
2192 |
0 |
収録されている東証1部上場の薬品企業は40社であり,書式例1のプログラムでは30社の数値プリントは出力されるが,残り7社の数値プリントは表示されない.30社を超えるような場合には,追加プリントパラメータ(ブランク行)が,30社毎に1つ必要になる.上述の書式例1にプランク行を1行追加している.
$$b //ビジネス財務データセクション $f //処理対象企業フラグコマンド <j>==..(7103)09081,09082,09083 //業種が大手,医家向,大衆向医薬品 <h>==..(7015)11 //東証1部上場の企業にフラグh <g>=:*.(j,h) //医薬品で,かつ東証1部上場の企業にフラグg $p //決算原数値プリントコマンド <g>,3001,3029,5056,5094,1034 //フラグgの企業群の5項目のプリント △△△△△△△△△ //ブランク行で追加30社分の原数値プリント $$ //終了セクション//ビジネス財務データセクション |
フラグ作成($f)コマンドのパラメ−タで,株式コード(新項番7005)が2503の「キリンビール」にフラグを立てて,gフラグとしている.
そのフラグ g の企業,すなわちキリンビールを対象に,決算数値プリント($p)コマンド直後のパラメ−タで,単独決算の概要に関わる9項目を3行で指示している.各パラメータの4カラム目の「*」は,項目名表示形式を指示する.同一フラグの項目名表示形式の連続する3行までの各項目は1つの表にまとめて出力される.
============= b00.txt in web-xc $$b //ビジネス財務(単独決算)セクション $f // 処理対象企業フラグコマンド <g>==..(7005)2503 // 株式コードが2503のキリンビールにフラグg $n // 企業名コマンド lst,<g>,eng // フラグgの企業リスト出力,英字社名も含む $p // 原数値プリントコマンド ................. パラメータの4カラム目の*は項目名表示形式による出力 <g>*3001,3006,3029,3058 // 売上高,営業利益,経常利益,当期利益 <g>*2067,2125,5040,5041 // 総資産,株主資本,一株当たり当期利益,一株当たり株主資本 <g>*5031 // 期中平均株式数 $$ // 終了セクション |
作成済みのフラグ変量を対象に,企業名のリストを[数値リスト]に出力したり,企業名の変量を作成したりする.これらの企業名に関する作業を行う1種類のコマンドと1形式のパラメータが用意されている.
ビジネス財務データの企業名(name of company)コマンドは次の形式をとる.
$n |
企業名出力を指示するパラメータは,上述の「$n」コマンドに続いて,次の形式の1行ずつで記述する.
書式($n in $$b)例1《2002.4.21修正》
書式($n in $$b)例1の出力結果
書式($n in $$b)例2《2002.4.21修正》
書式($n in $$b)例2の出力結果
書式($n in $$b)例3《2002.4.21修正》
書式($n in $$b)例4《2002.4.21修正》
1゜ 2゜ 3゜
■■■,<◇>,付加変量名 |
1゜ 2゜ 3゜
■■■,<◇>,eng,付加変量名 |
<単独決算:大手建設業の売上高原価率の時系列>
財務データから時系列データを作成する過程で,分析の対象とした企業の一覧を表示する書式例である.時系列の期間を限定し,その間に収録されている大手建設業の企業にフラグ g を立てる.フラグ g の企業群の一覧を,[数値リスト]に出力する.次に,この大手建設業の売上高と売上原価の集計値の時系列,正確には年率換算の月次の補間値系列を作成する.
=================== b-n-f1 ================ $$b //ビジネス財務セクション $r //期間限定コマンド 6510,0103 //1965年10月から2001年3月 $f //フラグ作成コマンド <g>==..(7103)41401 //大手建設にフラグg $n //企業名コマンド lst,<g> //企業名パラメータ(リスト出力) $t //時系列作成コマンド &fl,3001,<g>,sales //売上高 &fl,3002,<g>,cost of goods sold //売上原価 $l //入力変量名リストコマンド |
書式($n in $$b)例1の旧プログラム・テキスト参照[b-n-f1-old.txt]
<単独決算:2000年度の大手建設各社の売上高原価率・長期借入金売上高比率>
業種を除いて,
財務データからクロスセクション・データを作成する過程で,分析の対象とした企業名変量を作成する書式例である.分析時点を限定し,その間に収録されている大手建設業の企業にフラグ g を立てる.フラグ g の企業群のリストを出力するとともに,企業名の最初の漢字6文字分(英字12文字分)として3つの企業名変量を作成する.次に,この大手建設業の売上高と売上原価,長期借入金のクロスセクション系列を作成する.
=================== b-n-f2 ============================ $$b //ビジネス財務セクション $r //期間限定コマンド 0004,0103 //2000年4月から2001年3月までの2000年度を対象 $f //フラグ作成コマンド <g>==..(7103)41401 //大手建設にフラグg $n //企業名コマンド lst,<g> //パラメータ(リスト出力) :n1,<g> //企業名の最初の漢字2文字変量 :n2,<g> //企業名の次の漢字2文字変量 :n3,<g> //企業名のその次の漢字2文字変量 $c //クロスセクション作成コマンド flw,3001,<g>,sales //売上高 flw,3002,<g>,cost of goods sold //売上原価 stk*2101,<g>,long-term loans //長期借入金(4カラム*は欠落値ゼロ置換) $l //入力変量名リストコマンド =============== $$v //変量分析セクション $a //変量記号割当コマンド N,:n1,<g> A,:n2,<g> M,:n3,<g> x,sales y,cost of goods sold z,long-term loans $t //変数変換コマンド r=(y/x*100) //売上高原価比率 d=(z/x*100) //長期借入金売上高比率 P=:ci(x) //個体(企業)識別文字系列 △=pr*(N,A,M,x,y,z,r,d,P) //数値プリント(△はスペース1文字) |
書式($n in $$b)例2の旧プログラム・テキスト参照[b-n-f2-old.txt]
x | y | z | r | d | P | ||
sales | cost of goods so | long-term loans | r=(y/x*100) | d=(z/x*100) | :ci,P=:ci(x) | ||
1 | 大成建設 | 1306388 | 1173485 | 173053 | 89.827 | 13.247 | a |
2 | 大林組 | 1247898 | 1133009 | 73700 | 90.793 | 5.906 | b |
3 | 清水建設 | 1418249 | 1298483 | 158477 | 91.555 | 11.174 | c |
4 | 鹿島 | 1330729 | 1213188 | 112442 | 91.167 | 8.45 | d |
これは,書式($f
in $$b)例2の再掲である.
2000年度中に到来した決算を対象として,従業員数(項番5056,旧項番158)によるグループ分けを行ってみよう.まず処理対象期間指定($r)コマンドで2000年度の決算データに限ってフラグを立てることになる.フラグ変量作成($f)コマンドの後の第1番目のパラメ−タでは,従業員数(項番5056,旧項番158)が8000人以上の企業に L
の文字のフラグを立てて,Lフラグ変量とする.第2番目のパラメ−タでは,従業員数が1000人未満の企業に
S のフラグを立てる.次いで,企業名($n)コマンドで,これらの各グループの企業名のリストを,[数値リスト]に出力する.
金融保険業を除く上場企業で従業員数8000人以上の企業数は,意外と少ないことを確認されたい.
$$b //ビジネス財務データセクション $r //処理期間限定コマンド 0004,0103 //2000年度に限定する $f //処理対象企業フラグコマンド <L>=>=.(5056)8000 //従業員数が8000人以上の企業にフラグL <S>=<..(5056)1000 //従業員数が1000人未満の企業にフラグS $n //企業名コマンド lst,<L>,eng //フラグLの企業のリスト出力(英語名も含む) lst,<S> //フラグSの企業のリスト出力 |
これは,書式($f
in $$b)例3の再掲である.
収録全期間中に合併・分離のあった企業のリストを出してみよう.次に,処理対象期間($r)コマンドで1998年4月から最近時点までを指示して,1998年度以降において合併・分離のあった企業のリストを英文社名も含めて,[数値リスト]に出力する.合併・分離が比較的頻繁に行われていることが確認できよう.
$$b //ビジネス財務データセクション $f //処理対象企業フラグコマンド <a>=ne.(1034)0 //合併・分離フラグが0でない企業にフラグa $n //企業名コマンド lst,<a> //フラグaの企業のリスト出力 ------- コメント行 $r //処理期間限定コマンド 9804,9999 //1998年4月以降最近時点まで $f //処理対象企業フラグコマンド <b>=ne.(1034)0 //合併・分離フラグが0でない企業にフラグb $n //企業名コマンド lst,<b>,eng //フラグbの企業のリスト出力(英語名も含む) |